focusの考え

年齢はただの数字にすぎない

たまに、年齢のわりに見た目がすごく若く見える方がいらっしゃいますよね。

これは、どういうことかというと、細胞がとても健康な状態なのです。

細胞とは人間の最小単位で、私たちの体は約37兆個の細胞で構成されています。

その細胞は、分裂して数を増殖させたり、エネルギーを産生したり、DNAからタンパク質を作ったりと様々な生命活動をおこなっています。

細胞が生命活動をおこない、私たちは生きていられるということは、言い換えるなら、細胞が寿命を決めているということになります。

つまり、細胞が正常に機能し、健康であることが健康寿命を延すポイントになってくるということです。

もちろん細胞の老化は年月の経過とともに確実に訪れるものであり、これを完全に阻止することは難しいですが、その進行を遅らせることはできます。

その進行を遅らせる効果が期待できるのが、運動習慣健康的な食生活日々のストレスを軽減することなどです。

例えば、筋肉のように可逆的なものであるなら、一度、その機能が衰えたとしても適切な運動の刺激によって再び取り戻し、若返ることもできます。

つまり、じつは年齢とはただ年月が経過した数字にすぎなくて、身体機能、認知機能、免疫機能など、どのくらい体の機能が健康的に維持できているかが重要なのです。

暦の年齢よりも10歳は若くみられるように、日々、取り組めることから頑張っていきましょう!

生涯、自らの脚で歩ける体をつくる

日々、とくに運動をしないでいると、加齢と共に確実に筋力は衰えていきます。

もちろん、すべての筋肉が重要なのですが、私たちが最も大切だと考えているのが、“脚と体幹の筋力”です。

脚の衰えが進行していくと、まず、階段を登るといった少し負荷がかかる運動が難しくなってきて、やがて歩行までもが困難になってきます。

歩行動作に影響がでてくることで、特定の箇所に負荷かがかかり続け、そこから膝関節や股関節の疾患を招くといったケースも少なくありません。

そして、最も気をつけたいのが、“歩行時の転倒”です。

転倒した際に擦り傷程度ですめば良いのですが、打った箇所が骨折するといったことも十分起こりえます。

そうならないためにも、脚と体幹の筋力を鍛えておくことは重要で、これらの筋力が歩行時の安定感を高め、転びそうになった時にも踏み止まるといった行動を取ることができます

トレーニングは骨も強くする

ちなみに、あまり知られていませんが、トレーニングによって骨も強くすることが可能です。

骨を強くする上で、カルシウムやマグネシウムの摂取、日光を浴びてビタミンDを合成するいった栄養学的アプローチも大事ですが、トレーニングもそこに大きく貢献します。

最も良いのが、“適切な衝撃を与えること”です。

1852年、ドイツの解剖学者、Julius Wolffが“ウォルフの法則”を提唱しました。

ウォルフの法則

“正常にせよ、異常にせよ、骨はそれに加わる力に抵抗するのに最も適した構造を発達させる”

1852年 解剖学者 Julius Wolff(ドイツ)

簡単にいうと、骨にある方向から外力を加えた時、その力を受けた部分の骨芽細胞が刺激され、その力に対応した骨組織になるということです。

無重力空間で生活する宇宙飛行士の方が骨が弱くなるという話は、このウォルフの法則が適用されないからなんですね。

したがって、トレーニングで下肢の骨に適切な衝撃を与えることは大変良いことで、骨粗鬆症などにも有効であると考えられます